Monday, November 14, 2011

知ったかぶり


知ったかぶりをしない人になりたい。


というのも、ここで話すのは
「ああ、あれね、うんうん、いいよね〜それあたしも好き」
というようなあからさまな知ったかぶりではない。

例えばアメリカ人4人と自分、の5人で英語で話すことになった。

そこは全員はじめましての場で、まず自己紹介から入る。

聞いてると、そのうちの一人の職業がいまいちよくわからない。
喋ってる単語はわかるのに、その職業自体を知らないからピンと来ない。
でも自分以外のみんなは当然のように、「ああ、あれね」といった感じで
「じゃあこういうこともするんじゃない?」とか、
「仕事であそこも行った?」などとその話題で少し盛り上がる。
そんな中、自分だけ未だにどんな職業なんだかついていけてない。

あるいは、

自分だけが知らないアメリカのある食べ物の話題が出る。
他の4人はみんな知っているようで、
「日本でも、あそこのレストランではかなり本格的なのだしてたよ〜」
「いや、日本じゃ絶対あの味は手に入らない!」といってかなり盛り上がっている。


そういう時(特にこれが友達とかでなく、初対面のしかも年上軍団とだったりすると)、
水をさすのは気が引けるから、と思って黙ってニコニコしていることが多い。


この話題の間だけ数分スルーしてればどうせすぐに話は変わるだろうし、
わざわざみんなの流れを止めてまで、「え、なになに、私それ知らない!最初から説明
してもらえる?」なんて、空気の読めないことしなくてもいいだろう、と。

いくら英語でしゃべっていても、そこは日本人。和を乱すことは極力避けたいという本能を無視できない。

でもそうすると必ずのちに、ああ、あの時知ったかぶりしないで、
ちゃんと何だったのか聞いておけば良かったな、と後悔するのである。

ただ単に、なにか知らなかったことを知る、というチャンスを逃しただけでなく、
あとでその話題がまた出たりしたら(そしてこれがまたよくある)
ああ、あの時知ったかぶりしといて今更聞くわけにもいかないしな、
でもまたわからない話題で盛り上がってるのを見てるだけっていうのも面白くないし、
などと余計なことばかり気にすることになるからだ。

それに、「それ、知らない」と素直に言えないことで、どんどん自分と相手の間に壁が
できていってしまうような(勝手にかもしれないが)気がしてくる。
これは、偽りの自分で相手と接しているような気分になるからだと思う。


そんな面倒くさいことをいちいち考えるなら、最初から水を差してでもなんでも、
え、それなーに?と軽い気持ちで素直に聞いてしまえばいいのだ。
(大体、そう聞かれることによって相手も喜んであれやこれや教えてくれて
もっと盛り上がるケースも多い。)


そして最初からこっちが本心で付き合っていくことで、勝手な壁も感じずに済み、
お互いの距離が縮まるのも断然早い、と頭の中では思っている。
あとはこれを毎回!実践あるのみ。





***

こんなことを考えていちいちモヤモヤしているのも日本人くらいなのであろうか。
わからないとき、愛想笑いでやり過ごす日本人は本当によく見かける。
どうでもいいことでも、知らないものは知らないといちいち口に出していう
アメリカ人をみて、「まあそこは適当にわかったふりしておけばいいのに・・」
と思うことも。


そう思ってしまうのが私の自然な感覚なのだけど、相手が全員日本人でなくて、
自分一人で愛想笑いをして波に乗れていない、なんてことほど惨めな気分はない。



No comments:

Post a Comment