Monday, October 31, 2011

テレビ局に幻滅。

今さっき、生まれて初めてテレビ局に文句の電話を入れた。
言わなきゃ気が済まなかった。

あるテレビ番組を見てたら、
ゲストでNPO法人から女性が登場。
その団体は「アフリカ、ガーナを支援している」とだけ説明があり、
すぐにガーナの社会問題を扱うドキュメンタリーが流れた。

そのテレビ局のサイトには、


西アフリカ『ガーナ』で、先進国で廃棄されたパソコンなどの「コード」を
燃やし、わずかな『銅』を取り出す少年たち。一日1ドル!それが彼らの出来る仕事…。アフリカの社会問題を追った衝撃のドキュメンタリー!

などと説明が書かれてる。

ドキュメンタリーは韓国のフィルムらしく、それ自体はよく出来てると思った。
内容はこういうものだった。

15歳の少年が、故郷の家族からバスで15時間離れた場所に一人で出てきて3年間、ダイオキシンなどの有害物質がそこらじゅうに撒き散らされる劣悪な環境で日々働かざるを得ない生活をしている。家は友達と建てたほったて小屋で(見るからに8畳くらいの一間に5人で住む)、お風呂、トイレ、キッチンなどはない。ある日、彼は家族に会いに行くことを決め、バスに乗り込む。故郷では、家族と親戚に大歓迎され喜んでいたのもつかの間、母も故郷を出てってしまっていたことを知る。言葉を失う彼。そして彼との久々の再開に大喜びの父に、コツコツ貯めたわずかな貯金を渡す。


そしてドキュメンタリーは終わり、画面はスタジオに戻る。
そこでNPOの女性の説明が入り、「ガーナは貧しい国ですが、政治は(アフリカの中では)安定している方だし、中には高級車を乗り回す人も沢山いる。でも、未だにこういう問題も多く残っています。」

で、言い終えたとたん番組が終わった。


え・・・・?

そのNPOの活動内容は?
募金の宛先は?
そもそも、そのNPOの名前なんだっけ?
名前はドキュメンタリーの前に一瞬出ただけで、
その後一切繰り返されたりはしていない。



じゃあこれを知った私達にどんなことができるのか。
ゲストで来ていたNPOはこの問題についてどう対処しようとしているのか。
そういう事について一切触れなかった。



他国の惨状を見せて、
そんな中で働く子どもの生活を垣間見せといて、

それだけ?



何?今のドキュメンタリー見せたのって、
ただ視聴者に、
「ああアフリカの子たちはかわいそう」
「日本に生まれたことを感謝しないと」
「あんな少年が稼ぎを家族の為に貯めているなんて」
「自分もこの環境に文句言ってばっかじゃだめだ」
みたいなことを思わせるためだけ?



なんかもうショックで涙が止まらなかった。
わざわざあのNPOからゲストで呼んでおいたくせに、
あの人があの場にいた意味ゼロじゃん。
NPOの運営はは主に寄付で成り立っている。
知名度の普及や募金の宣伝はものすごく大事なのに、
それがまったくされてない。

それはテレビ局側がその時間を与えなかったのか、
あのゲスト自身が言わない事を選んだのか(そんなことはまずないはず)、
事情は分かんないけど、
あの収録にOKを出した番組制作側は何を考えているんだろう。


NPO団体からあの人が来て出演したからには、
活動内容なり、支援の方法なりをテレビで流すべきだったと思う。
もっと多くの人に、国際協力という”仕事”を知ってもらうためにも。


テレビって、不特定多数の人が見ているもの。
NPOなんて言葉初めて聞いた人も中にはいるだろう。

そういう人たちが見ている中でああいうドキュメンタリーを流すからには、
それを次に繋げるステップが必要なんじゃないの?



もともと国際問題に興味がある人はそれでいい。
テレビ局に電話するなりなんなりでNPOの番号とか調べるんだろうし、
あの映像を見ただけで、行動に移す人は移す。


でもそういうに今まで縁がなかった人たちのキッカケになれるのがテレビなのに!


あれじゃあ、そもそも番組側があのフィルムを流す目的がなんだったのかに疑問をもつね。



*そのNPO団体とは*
特定非営利活動法人 HPEE JAPAN 
http://www.hpee-japan.org/
ガーナにて、教育、医療、保健衛生、農業指導、水資源開発、収入向上、指導者育成、HIVエイズ対策、エコ支援などを行っている。

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